源吉兆庵 鎌倉本店・兆庵庵美術館(約790m)

小町通沿いを土産物屋を覗きながらぶらっと歩いていると、通り中頃に創作和菓子の名店『鎌倉 源吉兆庵』が見えてくる。日本のみならず、NY5thアベニュー店、ロンドンピカデリー店、パリマドレーヌ店をはじめとする7カ国9都市に支店をもつ岡山の『宗家 源吉兆庵』の分家として、平成6年、鎌倉小町に店を構えた。『鎌倉 源吉兆庵』は木造二階建ての古民家を活かしたつくりで、二階の窓にはよしずがかけられていてなんともいえない風情がある。

暖簾をくぐり、店に一歩足を踏み入れるとしっとりとした和の雰囲気に包まれた空間に、見た目涼やかなお菓子が並べられていた。ここは季節感をただよわせた美しい和菓子が人気だ。自然の恵み、果実をつかったものや、夏ならではの涼やかなお菓子ばかりが並んでいる。贅沢にも白桃ひとつそのままをゼリーでよせた「桃泉菓」は瑞々しいお菓子で人気だそう。他にもマスカットの最高峰「マスカット オブ アレキサンドリア」を求肥で包み砂糖をまぶした「陸の宝珠」も初夏から秋口の定番商品になっている。タネも入ったままなので、面白い食感が楽しめる。
和菓子で季節を表現する方法はあまりなかったと思う。練りきりなど、白あんに色をのせて椿の花や、竹の葉などの形をつくりあげる伝統的な方法とは一線を画した、季節の瑞々しい果実たちを素材そのままに使うという「創作和菓子」という新しい世界ではここ源吉兆庵の右に出るものはいないだろう。

さて、『宗家 源吉兆庵』と『鎌倉 源吉兆庵』の違いは一体なんなのだろうか。扱う物はあまり変わらないと言うが、鎌倉にはオリジナル商品があると言うので是非おさえておきたい。丁寧に炊きあげた艶やかな餡を、黒糖を練り込んだふんわりやわらかなとら模様の三笠生地で挟んだ「鎌倉おやき」と、こしあんを求肥で巻き、きなこをまぶしたもので素朴な味わいの「鎌倉の音」二品はいずれも宗家では手に入らないという。鎌倉源吉兆庵の看板商品だ。

ところで、鎌倉 源吉兆庵本店裏には美術館があるのだがご存知だろうか。ここには北鎌倉に窯を所有していた鎌倉ゆかりの趣味人、北大路魯山人の手による陶芸作品や書画などの美術工芸品が80点も展示されている事でも知られている。魯山人の器を使い、吉兆庵の季節の菓子を撮影したパンフレットは是非手にして帰りたい。目で楽しんだ後は、舌でも味わいたくなるだろう。
源吉兆庵 鎌倉本店
小町2-9-1
0467-23-2788
10:00~18:00
http://www.kitchoan.jp/
吉兆庵美術館
小町2-9-1
0467-60-4025
休館日 第1、3月曜日(祝日の場合開館)、年末年始、展示入替日
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 大人600円、小中学生300円

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